2024/01/19
入社時から給与は上がっていますか?
年齢によって必要な生活コストは増えていきます。
結婚、子育て、病気になるなどのライフイベントや、同年代の友達と食事や旅行に行くとなった時に、20代と40代では価格帯も違います。
同じ年代の人と出かけたときに、金銭感覚が違うというのは、結構つらいものです。
日本で働いている人の平均の昇給額は2%。
つまり、年収300万円の人は2年目で206万円、3年目で312万円、10年目だと365万円くらいになっているのが普通です。
それに対してペット業界は下のグラフのオレンジのような給与変遷になります。
若いときは徐々に給与が上がり、たまにリーダーや店長になった時にぐっと上がることはありますが、後はほとんど変わらず頭打ち、、、というケースが多いです。
あくまでこれは平均的なグラフですが、ペット業界の中にも、しっかり給与が上がっている人がいます。
高い給与を得ている人は、自身のキャリアアップを意識した働き方をしています。
何のためにキャリアアップをするのか
このページをみているあなたは、キャリアアップしたいのだと思いますが、ひとつ確認したいことがあります。
あなたにとってのキャリアアップはどういう状態でしょうか?
多くの人がキャリアアップというと給与が上がることと認識していますが、それはキャリアアップの一面でしかありません。
例えばこういったケースを考えてみてください。
貴方はトリマーとしてあるサロンに就職して、月収50万円を貰った上にボーナスが毎年2回3か月分が出ています。
肝心の仕事内容は、
- トリマーとしては言ったのにペットショップの仕事ばかりをさせられて、販売のインセンティブが給与の多くを占める
- 毎日残業が当たり前。残業代は出るが、月100時間以上残業している
- お昼休憩も忙しくて取らないことがある
- 休みは週に1日。有給を取る暇もほとんどない
- お店のワンちゃんの扱いがひどく。彼らを遊んであげる暇もない
さてこういった職場はあなたの理想の職場でしょうか?
そういう人もいるかもしれませんが、多くの人は例え高い給与を貰えたとしても、こういった職場では働きたくないと思うはずです。
つまり、あなたが仕事に何を求めているかが、キャリア形成には重要なのです。
例えば、
- 社会貢献のために保護動物を預かりトリミングする施設を開所したい
- 業界での技術進歩を実現したいので、誰にも持っていないスキルを開発したい
- 開業して自分のお店を持ちたい
などのキャリアでは、給与はあまり高くありませんが、人によっては大事な自己実現です。
キャリアアップとは、あなたの将来の夢・目標で決まります。
例えば、トリマーというひとつの職種に絞っても
- 優れたトリミング技術を持ち大会で優勝したい
- 開業して自分のお店を持ちたい
- 普通のサロンで断られるような老犬や噛み犬などの特殊な子を受け持てるようにしたい
など様々なキャリアがあります。
理想としているキャリア、そのキャリアを進むための勉強や経験をすることがキャリアアップなので、理想のキャリアがなければキャリアアップはできません。
キャリアアップ・スキルアップは会社のためでもある
ペット業界は残念ながらキャリアアップに力を入れていない会社が多いです。
これは本当に残念なことで、[キャリアアップ=給与が上がる=お店にとってマイナス]と考えてしまっているようです。
しかしながらこれは全く間違った考え方で、スタッフの給与を上げるのは、その人が”稼げる”ようになったときです。
スタッフがたくさん稼げる→会社の利益が上がる、が正しい形です。
多くの会社ではそもそもキャリアアップの仕組みを用意できていないことが問題なのです。
スタッフのスキルアップも必要
ここで忘れてはいけないのが、キャリアアップにはスタッフ自身がスキルアップしなければならないということです。
前述したように給与を上げるには、あなた自身が稼げるようになる、ということに異論のある人はいないと思います。
(好景気の時は勤続年数で自動的に給与が上がる仕組みがありましたが)
会社はキャリアアップのためのポストとそのための経験を用意することはできますが、スキルアップを実現するのはあくまでスタッフ自身の努力です。
素晴らしいキャリアを歩んでいる人は、例外なく自身で勉強したり、自己投資にお金や労力を使っています。
デルタのキャリアアップの考え方
ここまでの話を総合してデルタで行っているキャリアアップ施策を紹介します。
定期面談によりスタッフの希望を把握
結構多いのが「進みたいキャリアはなんとなく見えているが、それがどういう状態なのか明確でない」というケースです。
例えばトリマーさんで「お客様から信頼されるトリマーになりたい」という目標があったとします。これはとても良いことですね。
でも信頼されるトリマーになったかどうかはどう判断しますか?
クレームがなければ信頼されている?、なんとなく満足して帰ってもらえたらOK?
曖昧ですね。人によって評価も変わるでしょう。
こういったときデルタでは明確に判断できる目標を立ててもらいます。
例えば、信頼されるのであれば、きっとまたこの人に頼みたい、多少費用が掛かってもまたお願いしたいとなるはずです。
つまり指名の数が、お客様からの信頼の証だと考えられます。
そこまで考えられれば、受け持っているお客様の何割から指名を貰えているかが目標になります。
希望のキャリアを進むためのキャリアパスを決定
では、受け持っているお客様の8割から指名を貰えることを目標に設定したとします。
次にこれをいつまでに達成するのか、そしてそのために”今”何をすればよいのか考えます。
もし5年後に指名率8割を実現するのであれば、来年はどれくらい指名を貰うべきなのか、そして指名を貰うために、まずは接客で雑談ができるようになる、、、など最終的な目標達成のための小さな目標を立て、その目標を達成するために今何をしなければならないかアドバイスします。
必要な経験を会社で提供する
すべきことが決まったら、あとは業務内でのアシストです。
指名を得るために、積極的にお客様対応をしてもらったり、場合によっては接客スキルを上げるためのセミナーに出てもらうのも良いかもしれません。
業務の重点を変えることで実現します。
賃金アップ
目標を達成したらお待ちかねの賃金アップです。
キャリアアップは当たり前ですが、会社にとってもメリットのあるものにしてもらいます。
指名率が上がるということは、固定客がつくということなので会社にとってもメリットがあります。
ですので気持ちよく賃金アップを実施できますね。
ちなみにデルタでは、指名料金500円は全額トリマーさんに入ります。
毎月60頭ほどのワンちゃんをこなしていて、その8割が指名だとすると、指名料金だけで24,000円が毎月お給料にプラスになり、年収にして30万弱アップです。これ以外にも基本給も上がるので、この目標が達成できた時点で年収が50万円ほどアップします。
チャレンジ制度
デルタではスキルアップのための経験を促進するためにチャレンジ制度を設定しています。
これはスタッフ個人がキャリアを実現するための独自のサービスを提案する制度です。
チャレンジ制度①噛み犬トレーニングプラン
トリマーさんで将来的に、普通のサロンで断られてしまうような噛み犬のトレーニングをできるようになりたい方がいらっしゃいました。
この方はトリミング自体はとても上手でしたが、トレーニングスキルが足りませんでした。
ですのでデルタで契約しているトレーナーさんとタッグを組んで、トリミングトレーニングのサービスを開始しました。
最初は足りないスキルをトレーナーさんに補ってもらっての実施ですが、ここで経験を積みつつ、トレーニングの勉強をすることで、最終的に一人でもトリミングトレーニングができるようになるためです。
チャレンジ制度②ドッグトレーナー
ペットホテルのスタッフの中にドッグトレーナーになりたい方がいました。
この方は専門学校などでトレーニングを学んでいましたが、実際にお客様のワンちゃんをトレーニングする経験が不足していました。
そこでデルタでは、プロのトレーナーさんの補助に入ってもらったり、犬の幼稚園で簡単なトレーニングを実際に経験してもらうことで、経験値をためてもらいました。
のちのち簡単な問題行動を受け持ってもらったりすることで一人前のトレーナーさんになってもらう予定です。