2023/03/11
こんにちは。川崎市幸区にあるペットホテル&サロン デルタの佐々木です。
私はもともとペットとは関係ない業種からこの業界に転職しました。
別業種なのでいろいろと文化の違いに驚くことはあったのですが、一番と言ってよいほどびっくりしたのはトリマーの給与の低さです。
トリマーは専門職なので、それなりに賃金は高いだろうと想像していたのですが、場所によってはコンビニと変わらない時給で募集されているところもありました。
正直に言ってオーナーとしてはトリマーさん賃金が低いことが助かることは確かです。
しかしながらそれでトリマーさんが減っていると肌に感じます。
このままではサロン業界自体は衰退してしまうと危惧しています。
自分の給与に不満を感じたら、ぜひ給与交渉をしてみましょう!
オーナーはトリマーの人材確保に四苦八苦している
地域にもよりますが少なくとも当店のある川崎市ではトリマーさんが少ない状況です。
2023年(この記事を書いているのは3月)時点ではうちでも困っていますし(笑)、周囲のサロンも新規の受け入れを停止するなど、需要に対して供給が追い付いていないように見受けられます。
本当にトリマーは足りていないのでしょうか?
JKCのトリマー登録者数を見ると、2007年からはほぼ横ばいか減少傾向です。
ワンちゃんの飼育数は年々減っているので、問題ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、ペットの市場は増加傾向で、美容にお金をかけるお客様が増えています。
そのためサロンの利用率が上がったこと、またペットのストレスを心配して、低価格帯で1日にたくさんのワンちゃんを施術するようなお店の需要が減ってきて、1日に施術する頭数の少ない高級店が求められていることで、トリマーが1日当たりに施術する頭数が減っていることも理由の一つだと推測できます。
そのため需要に対してサービスを供給できるトリマーさんが相対的に減っている状況が見て取れます。
もっと強気に!チャレンジ給与交渉
こういった状況ですから、多くの地域でトリマーは引っ張りだこです。
うちのお店は忙しいなぁと感じたらそれは人手が足りないからです。
経営者としては今いるトリマーさんを手放したくないのが本音です。
求職者側は知る機会がありませんが、実は採用にも結構なお金がかかります。
例えば、求人サイトに有料で求人応募を行うと、月に数万円以上の料金がかかります。
また、エージェントを介して採用した場合は、おおよそ100万円くらいから紹介料がかかります。
だからスタッフに抜けられるということはお店にとってはとても大きな損失なのです。
もちろんそんなことを言ったら、従業員が強気に出かねないので、おくびにも出さないオーナーが多いですが。
もしあなたが給与面に不満があるのであれば、給与交渉をする価値は大いにあると思います。
日本の労働者はまだこういった交渉が苦手な方が多いですが、でもだからこそやってみる価値はあるかもしれません。
経営者もそういった交渉に慣れていない人が少なくないので、意外とすんなり上げてくれるかもしれません。
給与交渉に慣れていない人のために
給与交渉を行うときにはいくつかコツがあります。
①自分の市場価値を把握しておく
給与交渉を行う前に、必ず近隣のサロンの求人を調べておきましょう。
「給与あげて!」というだけでは交渉ではありません。
2千円だけ上がったとしても満足でしょうか?
自分の市場価値を判断したうえであげてもらえそうな最大値と最低ラインを把握してから交渉に臨みましょう。
②関係を壊したくないのであれば
給与は上げたいけど、職場の居心地は良いし、関係も良いので給与交渉をすることで関係が悪化することを恐れる方もいるかもしれません。
オーナーもトリマーさんの給与は上げてあげたいけど、上げられないという状況のときに、交渉されるといやな気持になることは仕方のないことかと思います。
なので、関係を壊したくない場合は、最初はやんわり交渉するのも手です。
雑談中に冗談めかして「もうちょっと給料あげてくださいよ~」みたいに冗談めかして言ったりしてみます。
最近は物価高も続いているので、そのあたりの流れから持っていくのも良いかもしれません。
③強気にいくときは
自分の適性月給が今の+1万円くらいだとします。
そういった状況のときは最初は+2万くらいの給与アップを提示してみましょう。
もしそれで通ればラッキー。
でもたいていは相談をされると思います。
2万円の条件を出されていて、5千円アップで交渉してくることはほぼないので、1万から1万5千円くらいが落としどころになってきます。
もし最初から1万円を条件にすると、1万円以上には絶対にならないので強気に行くのがおススメです。
④現在の給与理由を聞いてみる
あなたは自分の給与がなぜその値段なのか理解していますか?
お店によっては、昇給の条件が明確に決まっているとところもありますが、適当なところも結構あります。
「自分の給与はどういう基準で決まっていますか?」と聞いてみましょう。
これで給与が上がるの?と思われるかもしれませんが、適当に給与を決めているお店だと以下のような会話が予想されます。
「あー、君は〇〇は頑張っているけど、△△がイマイチだから、これくらいなんだ」
と言われたら
「ありがとうございます。△△がイマイチということですが、具体的にはどういったところが能力不足なのでしょうか?今後の参考に教えてください」
「え?だって△△はまだ得意じゃないよね?」
「自分ではできていると自負しています」
「そう?そうかーじゃあ少しだけなら上げようかな、、、、」
と基準を明確にしていないお店ほど、ちょっと突っ込むと簡単に上がる場合があります。
④「じゃあ来なくてよいよ」のデメリットは覚悟する
たいていは大丈夫かと思いますが、自身の価値を認識違いしていると、会社をクビになったり、居心地が悪くなることもあります。
最初にお伝えした通り、あくまで
・お店が忙しい(人が足りていない)
・市場価値的に自身の給与が低い
・お店に必要とされている
場合に限ります。
嫌な話ですが、もし会社側が人を減らしたい場合などは、逆に解雇の口実を与えてしまうので、交渉は慎重に行いましょう。
経営者である私がトリマーに給与交渉を進める理由
私は今サロンのオーナーとして働いています。
雇用主としての本音を言うと、従業員はなるべく低い給与でたくさんの売り上げを上げて欲しいと考えます。
ではなぜあえて自分に不利になりえるアドバイスをするかというと、それはトリマーの労働条件が悪いため、現在お客様が不利益を被っていると考えているからです。
トリマーの労働条件が悪いと、トリマーさんの数が減ります(実際減っている)そうすると最終的に誰が困るかというと、犬を飼っている飼い主様やそのワンちゃん達です。
これは私は一番避けるべきことかと考えています。
ペットサロンはお客様あってのお店ですし、なによりイチ犬好きとしてはペットに関わる人が困ることが一番つらいです。
トリマーの現在の労働環境については、こ当店の求人情報に書いてあります。
ぜひよい労働環境を得るために役立ってくれればと思います。