2019/12/15
こんにちは。川崎市幸区のペットホテル &ペットサロン デルタの佐々木です。
トリミングに愛犬を連れて行った時に、このように聞かれたことはないでしょうか?
「おヒゲはカットしますか?」と。
私は犬を飼い始めて初めてペットサロンに連れて行った時にこれを聞かれ、(え?犬のヒゲって切って良いものなの?)と思い、結局「どっちでも良いです」と答えました。
ワンちゃんのおヒゲというのは、人間の男性のおヒゲのように外見上の見た目以外役割を持っていないのでしょうか?
おヒゲカットについて、ちょっとだけ書かせていただきます。
おヒゲには重要なセンサーの役割がある
ワンちゃんのおヒゲは、実は早期警報装置の役割があります。
愛犬のお散歩をしていると、彼らが鼻を色々なものに近づけて匂いを嗅ぐ仕草を頻繁に見かけると思います。
この時、大抵のワンちゃんは鼻を地面ギリギリにつけて、壁や障害物があると、さっと顔を背けているはずです。
もちろん、目でそれらを確認もしていますが、目の死角にある障害物でもヒゲが接触すると「ここに何かある!」と気づいて、鼻を背けることができます。
ご存知のように犬にとって鼻は人間以上に重要な器官なので、傷つかないように守っているのですね。
この早期警報装置としての役割は科学的にも証明されております。
ワンちゃんの脳領域の約40%は顔付近に集中しており(*1*2)、おヒゲに関しては、どのヒゲが今接触しているかも判断できるといいます。
鼻の付近にある”ヒゲ”は鼻先付近の早期警戒装置の役割を果たすと考えられています。
特に、目の見えない犬にとっては、壁にぶつかる割合がヒゲの有無で大きく変化すると言われています。
このことから、犬のおヒゲは犬にとって重要な器官のひとつで、もしおヒゲに大きな拘りがない場合は、残しておいた方が、犬のためであると言えます。
「おヒゲカット」=「絶対ダメ」ではない
ここまでおヒゲの重要性を書いてきましたが、その上で当店では「おヒゲカット」を受けております(有料ですが)。
これは私たちの信念にも関係あるのですが、当店では犬と人の関係はパートナであるべきだと考えています。
人が犬を一方的に庇護するのでなく、人は犬の世話をしてあげ、犬も人のために何かを与える、そういう関係が理想だと考えております。
日本において、近年の犬の役割は99%以上が愛玩犬です。
このことは、犬は”可愛いこと”が彼らの仕事と言えると考えています。
衣食住をしっかりと飼い主がお世話をする代わりに、愛犬は可愛く、飼い主の癒しであることが重要と考えています。
そのために、多少の不便を感じたとしても、それはお世話の対価として妥当なものだと考えています(もちろん程度によりますが)。
参考資料
*2
「犬と人の生物学」スタンリー・コレン著
ペットホテル &サロン デルタ