2024/01/14
未経験からでもがんばれば半年ほどで開業できる自宅でペットホテル。
リスクがないわけではありません。
どういったリスクがあるのか、またそれにどう備えればよいのかお話します。
ワンちゃん飼ったことがあるから大丈夫!ではない
私のお店に来る開業希望の方や求人希望の方の中に、「私はワンちゃんを飼っているから、お世話できると思います」と答えられる方がいますが、これは考えが甘いといわざる負えません。
例えば、
「毎日家族に料理を作っているから、レストランでも成功できるはず」
「子育てしたから、保育園の仕事なんて簡単」
といっている人がいたら、誰もが「ん!?」と思うはずです。
これらの違和感の正体は、特定の人向けのサービスか、不特定の人向けのサービスかの違いです。
家族や自分の子供、それに愛犬というのは、気心知れた中で、彼らの好みや性格を熟知しています。
でもお客様向けにサービスをするということは、話したこともない人たち(犬たち)を満足させなければならないのです。
ワンちゃんは人と同じく性格は千差万別で、人が好きな子がいれば、犬が嫌いな子、ご飯を食べない子、ボールは好きだけど、ロープは嫌い、など好みがその子によって違います。
また、落ちているものを飲み込んでしまう子や、手を出すと噛みついてくる、なんて子もいます。
そしてペットホテルに預けられているという異常な状況にいるワンちゃんは、普段と違う行動をとったり、体調を崩す場合も多いです。
その子に合わせた環境を、瞬時に見極め提供できなければなりません。
自分のワンちゃんのお世話と、お客様のワンちゃんのお世話には天と地ほどの違いがあるのです。
ペットホテルのリスクについて
ペットホテルで多いリスクについて説明します。
1.死亡・脱走
残念なことに「ペットホテルに預けたら亡くなった」ワンちゃんの話をときどき聞きます。
その中には、お店がミスをしたわけではないケースも存在します。
どういったときに死亡・脱走事故が起きるのか、ケースを知ることでその対策を立てることができます。
2.怪我
フリーのペットホテルでは、ワンちゃん同士の怪我が発生します。
これは交通事故みたいなもので、おそらくどんなに気を付けていても完全に防ぐことはできないでしょう。
事故をなるべく起こさないよう対策子、それでも怪我をしてしまったときの対処方法を学ぶ必要があります。
3.不調
ペットホテルでは飼い主様と離れるストレスから、不調をきたす子がいらっしゃいます。
その子の性格によってはどんなに頑張っても防ぐことができない場合があります。
なるべく不調にさせない方法や、不調になってしまったときの対処法を学ぶ必要があります。
4.クレーム
商売にクレームはつきもの、良いクレームも悪いクレームも適切に対処しなければ、悪評が広まってしまったり、サービス改善のチャンスを逃すことになります。
5.災害
地震、火災、水害
ペットホテル特有の備えが必要です。
上記のリスクはあらゆるペットホテルに起こる可能性があり、かつ対策によりその確率を下げることができます。
もし上記のリスクの対策方法が分からなければ、リスクの対策を教えてくれる実務研修先を選びましょう。
開業向けの実技研修先を選ぼう
以上のようにペットホテルには様々なリスクがあり、これらを学べる実技研修先を選ぶべきです。
例えば、今度ペットホテルやサロンに行ったとときに確認してみて欲しいのですが、お店の扉は全てうち開きになっているはずです。
うち開きならば、犬が押して扉を開けて外に出ることがないためです。
もし、あなたが単に半年間どこかのお店で働いていただけであれば、脱走防止のために扉がうち開きになっていることに気づかないかもしれません。
この状態でお店を開業し、外開き、両開きの扉で開業してしまうと、犬を脱走させるリスクが高くなります。
既存のペットホテルでは、これまでの経験から、リスクに対してありとあらゆる対策がなされていますが、それを従業員にすべて伝えるということはしません。
ただ、開業支援をしている研修先であれば、むしろこれらの内容こそ丁寧に教えてくれます。
実技経験の資格を取得するだけなら、どこで半年間働いても取得はできますが、開業後のリスク対策を考慮するのであれば、開業者向けの実務研修先を選ぶべきです。