2023/04/29
こんにちは。ペットホテル&サロン デルタのオーナー佐々木です。
デルタではトリマーさんの転職応援をしています。
トリマーさんが転職により自身の市場価値を最大にして、高い給与を貰えるようにすることが、最終的に飼い主様とワンちゃんのためになると考えているためです。
今回は、以前から頂いた「なぜ転職をすると給与が上がるのか?」という質問についてお答えします。
→転職に関する質問は問い合わせフォームから「トリマー転職質問」と記入の上、メッセージをお送りください。
ちょっと勘違いがある転職による給与アップのこと
テレビCMやネット広告では、さかんに「転職して年収〇〇万円アップ」という、いかにも転職をすれば、それだけで給与が上がるかのようなメッセージが流れています。
私も給与を上げるために転職を勧めていますが、このような広告をみると「転職すれば給与が上がる」と勘違いする求職者さんがいるような気がします。
あくまで「給与が上がるように転職する」ことが大事で、とにかく転職さえすれば給与が上がるわけではありません。
このあたりのことをよく理解せずに転職活動をしてしまって、もったいないと感じたことも、この記事を書いている理由の一つです。
転職市場の仕組みをしっかり理解して「給与が上がる転職」の方法をお教えします。
転職で給与が上がるのはなぜ?
さて転職をすると給与が上がることがあるのはなぜでしょう?
落ち着いて考えると、転職に際しあなたの技術や能力が上がるわけではありません。
できる仕事も多少は増やすことができるかもしれませんが、それも限界があります。
それなのに転職すると給与が上がることがあるのはなぜでしょうか?
この理由は、市場においては、同じ商品でも場所や時間により価値が変わってくるためです。
どういうことか、あなたもきっと身近に体験したことがあると思います。
例えば、ホテルや飛行機は繁忙期と閑散期で値段が倍くらい違うことがあります。
これは繁忙期は多くの人が休みになるため、ホテルや飛行機の需要が増えるためです。
また、アルバイトの時給も深夜帯は日中に比べて高くなります。
これは深夜帯に働きたいと思う人が少ないからです。
どちらも受けるサービスやしている仕事は、変わりませんが、サービスの料金が変わったり、給料が変わります。
トリマーさんは、”技術”という商品をお店に対して売っているということです。
ここでより自分を高く売りたいのであれば、適切な時期と場所に売る必要があります。
例えば、あなたはスピードは遅いけれど、時間をかければとてもきれいなカットができたとします。
もし現在あなたが、頭数をたくさんこなすタイプのサロンに勤めているとすると、あなたの能力はあまり評価されないかもしれません。
仕上がり重視のサロンではきっと能力は高く買われるのに、、、
世の中に会社はたくさんあるので、転職の際には自分の能力が最も評価されるお店を選択することができるので、適切な転職先を選べば給与が上がります。
これが転職による給与が上がる仕組みです。
どうやって自分の能力が評価される職場を見つければよい?
では自分の能力が評価されるお店はどうやって見つければよいでしょうか?
あなたがおこなうことは、自分の能力を客観的に評価することと、お店ごとに必要とされるスキルを見分けることです。
自分の能力を客観的に評価する
トリマーさんの技術について、5つに分類してみます。
- 施術のスピード
- 仕上がりのきれいさ(カットバリエーションの多さ)
- 接客技術
- 犬の扱いの上手さ
- 病気の知識
他にもいろいろあると思いますが、今回は私がオーナーとして普段採用する際にメインで評価する項目5つを挙げてみました。
あなたが得意だと感じる項目もあれば、苦手だと感じる項目もあるのではないでしょうか。
次にお店に必要とされるスキルをお店の種類ごとに5つに分類してみます。
- カット仕上がり重視の高級店サロン
- とにかくたくさんこなす、低価格帯のサロン
- 動物病院
- ワンちゃん重視の犬に優しいサロン
- 特殊技能サロン
それぞれのお店でどういった技術が必要が書いていきます。
1.カット仕上がり重視の高級店サロン
カットの仕上がり重視のサロンは特にカットのきれいさやカットバリエーションの多さが求められます。
輪郭がはっきり取れているか、バリカン跡が残っていないか、、、
また、デザインカットや、羊さんカット、ヨーキーやマルチーズのロングのカット、など普通の飼い主様はあまり選択しないようなカットスキルが必要とされる場合があります。
また、高級店だけに接客の技術も求められます。
丁寧な言葉遣い。礼儀作法所作。飼い主様の細かい要望をしっかり聞き取るコミュニケーション力も必要になってきます。
時間をかければ、きれいにカットを仕上げられるという方は、このタイプのお店がお勧めです。
②とにかくたくさんこなす、低価格帯のサロン(ショップ併設サロンもここに含む)
低価格帯サロンの場合は、とにかくスピード重視です。
もともと低価格なので、飼い主様自身も「取り合えず短くなればよい」と考えており、多少雑な仕上がりでも文句を言われることも少ないでしょう。
床屋でいうと1,000円カットのような立ち位置ですね。
自分はざっと形を作るのが早い。でもしっかり仕上げようとすると時間がかかってしまう、という方はこういったお店が向いています。
③患者さんがほとんど動物病院
動物病院のサロンの特徴は、普通のサロンではお断りされるような子を施術することがあります。
傷を負っていたり、高齢犬を行う場合があるので、病気や健康にに関する知識、体の構造を理解した保定技術などが求められます。
噛まれたりする確率も高くリスクがある場合もあります。
また、高齢犬などは時間をかけられない子もいるので、スピードも求められます。
トリミング以外に、犬たちの健康や病気に関する知識を持っており、その子に対して臨機応変に対応できる方は重宝されるはずです。
④ワンちゃん重視の犬に優しいサロン
このタイプのお店はオールマイティな技術が必要になります。
サロンなので、それなりのカットの仕上がりは必要。
ワンちゃんの負担にならないようにスピードも必要。
飼い主様から情報を聞き取ったり、説得したりといった接客技術。
当然、ワンちゃんに負担にならないような保定技術やトレーニングの知識も必要になってきます。
突出した技能は持っていないけれど、それぞれのオールマイティに能力を育てている方に合っています。
⑤特殊技能サロン
これはプラッキングや特定の犬種専門といったお店のことを指しており。
学校だけでなく、誰かに弟子入りするなどして、技術を学ぶ必要があります。
修得するまでに時間はかかりますが、一度技術を身に着けてしまえば、あなたにしか頼めないということで、強いリピート率を持つお客様が付くようになり、仕事に困ることはなくなるでしょう。
これはちょっと特殊位置なので、また別の機会に紹介できればと思います。
まとめのグラフです。
ぞれぞれのサロンに必要を思われる技術をグラフにしてみました。
自分でざっくり点数付けをしてみて、自分のグラフに近い形のタイプのお店を選ぶことで、給与が上がるかもしれません。
最後に
グラフには、自分の能力に合っている会社を受けて給与を上げるという以外に、自分にない能力を磨くための会社を選ぶこともできます。
例えば、ずっと低価格帯のサロンで働いていた人は、時間をかけてきれいに仕上げる方法や、デザインカットの能力が低いかもしれません。
そういったときにあえて自分の能力が足りていないお店に就職してスキルを磨くことで、長い目で見たときに良い場合もあります。
そのときの転職では給与が変わらなかったり、もしかしたら下がるかもしれませんが、特に若いうちは、いくつか経験しておくほうが、生涯年収は上がるかもしれません。(詳しくはキャリアを考えた転職)。
→参考記事「いい転職先はどうやってみつければよい?」