2021/12/30
こんにちは。川崎市幸区の犬の学校デルタの佐々木です。
デルタでは開業当初から「犬のことを考えたトレーニング」を実践しています。
「犬のことを考えたトレーニング」、、、よい響きですね。
ただ具体的にどういったトレーニングかは言葉だけから想像できないと思います。
雰囲気はよさそうなものの、しっかりと理解できない、そんな「犬のことを考えたトレーニング」について詳しく説明していきます。
デルタの原点でもある動物を愛する気持ち
「犬のことを考えたトレーニング」の説明には、デルタがなぜその手法を採用したか、理由を説明する必要があります。
デルタのオーナー佐々木がデルタを開業したきっかけは、ペットの殺処分問題に関心を持ったことでした。
何の罪のない犬や猫が年間何万頭も殺処分されている現状が我慢ならず、民間のサービスを充実させて飼い主様のQOL(生活の質)をあげることで、殺処分を減らそうと考えてデルタを開業しました。
デルタの社是は【「飼い主様」「私たち」「社会」「ペット」が幸せになるサービスを提供する】というものですが、ここに「社会」や「ペット」という言葉が入っているのは、この動物に対する愛から来ています。
犬のことを考える、とは?
あらためて犬のことを考えたトレーニングとはどんなものでしょうか?
〇〇のことを考える、という言葉には色々な意味があります。
- 夕ご飯のことを考える、というと夕ご飯を何にしようかと計画すること。
- 好きな人のことを考える、というと好きな人ともっと仲良くなる方法や今日話したことを思い浮かべること。
など、
私たちが実践している「犬のことを考えたトレーニング」をより正確に記述すると、
犬が飼い主様との関係性を壊すことなく、その子と飼い主様が幸せになるトレーニング
と言い換えられます。
これでも何を言っているかわからない人がほとんどだと思いますので、さらに詳しく説明していきます。
なんのためにトレーニングをするか
話しが逸れますが、あなたは何のために愛犬のしつけやトレーニングをしようとしていますか?
- イタズラして困っている
- 吠えてうるさい
- 噛んで誰かを怪我させてしまいそう
などおそらく多くの人が、生活で困りごとがある、吠えて迷惑をかける、噛んで怪我をしてしまった(他人にけがをさせそう)といった、人間側の都合でしつけやドッグトレーニングをしようとしていると思います。
これはもちろんダメなことではありません。
人間社会で犬を飼うために、犬に社会のルールに合わせた行動をとってもらうことは必要です。
ただ、私たちは、この時に犬がなぜそういった行動をするのか、という観点を持って欲しいと考えています。
佐々木は愛犬のことを家族だと思っています。
その家族に、問題行動をするからと言って、その行動を辞めさせることは、正しいでしょうか?
- お散歩のときは横にピッタリつくように歩かせる
- 他の子に吠えているから吠えちゃダメ!と教える
- 噛むので噛んだら叱る
こういったトレーニングを人の子供で考えると、以下のようになります
- お散歩のときはずっと手を繋いで歩かなければならない
- 他の子と遊ぼうとすると両親から怒られる
- 嫌なことがあり、抵抗するとさらに両親から怒られる
これが正しい教育でしょうか、、、?
確かにこれらのしつけをすれば、親にとって問題を起こさない”良い子”になるでしょう。
しかし、彼らは幸せでしょうか?
残念なことにビジネスとしてドッグトレーニングをしている人ほど、犬のことを考えらません。
彼らのお客様は飼い主様であり、飼い主様の悩みを解決することが、仕事の成果だからです。
そのため、犬のしつけ・ドッグトレーニングをするときに、犬の行動を制御・制限する方法になりがちなのです。
私は、トレーニングとは、飼い主だけでなく、犬たちも幸せになるべきものだと考えており、彼らの幸せを考えたトレーニングをすることが「犬のことを考えたトレーニング」と定義しています。
犬にとっては飼い主様との関係が一番重要
幸いなことに私が犬を飼い始めたころから、そういった人主体のトレーニングから、犬の気持ちも考えるトレーナーさんも徐々に増えてきました。
その一人がデルタでトレーニングをお願いしている有動トレーナーです。
有動によると、犬は飼い主との関係性を最も重視しているそうです。
これは私自身犬と接していて実感することろで、彼らは本当に私たち人の行動に敏感で、よく見ているなと思います。
自分の愛犬は言わずもがな、ペットホテルで預かっている子を見ていても、つねに人の方に注意を向けて、来るところ来るところについてきます。
それだけ彼らの人生において飼い主というのは重要で、彼らの幸せを考えたトレーニングをするにあたり、飼い主様との関係を壊さないようにすることは最も重要と言ってよいと考えています。
飼い主様との関係を壊さないトレーニング
ワンちゃんの幸せは、飼い主様にたくさんかわいがられることです。
吠えや噛み、こういった行動をのしつけやトレーニングをする際に、叱って教えるトレーナーさんが多いですが、これは飼い主様との関係を考えた場合、適切ではありません。
叱る、というのは嫌悪刺激を与えることです。
つまり辞めて欲しい行動をしたら、嫌なことがあると学習させることです。
これは行動を減らすという点では効果がありますが、当然嫌なことをされる対象に嫌な気持ちになります。
人間だって、嫌がらせをする人を好きにならないと思います。
私たちは、犬のしつけ・ドッグトレーニングに罰を一切使いません。
例えば、吠えを減らしたいのであれば、吠えない行動を褒めて増やす、噛みを減らしたいのであれば、家内行動を増やしてあげると考えます。
この手法ではとにかく愛犬を褒めればよいので、関係が悪化することはありません。
さいごに
私は犬が大好きです。
だからこそ彼らを叱る、ということをしたくありません。
人間であるならば、彼らは言葉を理解しているので、なぜ叱られたかを説明することができますが、犬にはそれはできません。
ただ、ある行動をしたら、叱られたから、その行動はしないようにしようと考えるだけで「私が悪いことをしたから叱られるのは仕方ないんだ」とは決して考えないのです(というか考える知能を持っていない)。
そういった彼らに対して、叱ってしつけをするのは、言葉も通じない赤ちゃんを叱ることであり、倫理的に正しいとは言えません。
ぜひこれを見ている皆さんが、自分の愛犬に愛を持ったしつけ・トレーニングを選択してくれることを祈っています。